長い歴史と伝統を持ち、多くの業績を挙げ、社会に貢献してきた本学会の第48回を盛岡の地で開催させていただくことを光栄に存じます。
私の側彎症を始めたきっかけは平成元年の1年間の英国留学であります。当時、ロンドンの英国王立整形外科病院では、英国全土、旧大英帝国圏から多くの側彎症患者が集まり、また多くの留学生が集って研鑚を積んでおりました。年間数百例の脊柱変形の手術例数に驚嘆した記憶が鮮明に蘇ります。帰国後、学校健診の充実、岩手医大整形外科側彎症専門外来において、装具療法および手術療法の診療体制を整え、地道に努力して参りました。その間、側彎症学会の多くの先生から貴重なアドバイスやご指導いただきましたことに心から感謝いたします。
学会テーマは“Spinal Deformity - from the cradle to the grave.:脊柱変形 ー 乳幼児から成人脊柱変形まで“といたしました。これは日本の側彎症診療の現況と今後の展望について、また地方においては乳幼児から成人側彎にいたるまである一定の診療レベルをもって側彎症診療にあたることが重要と考え、幅広いテーマを設定いたしました。
深秋の盛岡はやや肌寒い季節でありますが、紅葉のきれいな時期でもあり、紅葉の中の世界遺産の中尊寺の美しさは筆舌に尽くしがたく行楽にもよい季節であります。盛岡はいにしえより、今年の流行語のおもてなしの街であります、ぜひ多くの皆様のご来盛を心よりお待ちしております。
最後になりますが、平成23年3月11日の東日本大震災におきましては多くの先生から、お見舞や激励のお言葉をいただき、衷心より感謝いたしますとともに、盛岡の地で本会を開催させていただき、震災から復興をとげる岩手を是非、皆さまにご覧いただきたく存じます。多く先生のご参加をお願い申しあげます。
平成25年12月吉日
第48回日本側彎症学会
会長 山崎 健
(岩手医科大学整形外科学教室)